いつも応援ありがとうございます。徳島で一皮むけて帰ってきました。
新作創作BL同人「甘咬みのしつけかた 戯」でお伝えしました通り、本作では背景や線画の一部にAIイラスト制作サポートツール「Copainter」を利用しています。現在制作中の「ガチで好きです!もっちー先輩。2」ではより一層活用の幅を広げています。
利用と一口に言ってもどのように利用しているのか、よく揶揄される「ポン出し」のような他人の絵を盗んで楽して制作したのか、気になった方もいるかと思います。
「実はちょっと気になってるけど本当に役に立つの?」という方もいるかもしれません。そうした疑問に対して自分なりのAI活用方法をこちらに書き留めることにしました。この記事で「AIは悪か否か」を断じたり考えを強制する意図はありません。ですが今までひたすら自分の手で描き、しばしば手首をぶっ壊してきたコッテコテの手描き作家が一体如何様にAIを利用しているのか。そもそも使いこなせてるのか。利用過程を公開することでAIとの向き合い方、付き合い方を考える一助になれば幸いです。
何だかAIに掛かれば造作も無いような気がしてしまいます。
漫画における背景は人物との整合性を持たせなくてはいけないので画角や配置など満たすべき要件は結構多いです。では語彙力が壊滅的なyuritaroは以下のような背景が生成できるでしょうか。
青い部分が希望の背景です。見切れていますが吹き出しの裏にはキャビネットとテーブルがありキャビネットの上には複数の瓶や容器が描かれています。
生成したい背景をテキストで説明します。
もう既に駄目感が漂いまくっています。送信!
お話になりません。
これはAIでなく私の言語伝達能力の問題です。欲しい画像をテキストベースで出す能力はボキャ貧太郎にはありませんので戦い方を変えていきます。元来Copainterは画像からのプロンプト判定を得意とするAIなので下手に言葉で説明するより絵を読み取ってもらった方が意図が伝わりやすいみたいです。
先ほどのラフをまずは「線画」作成タブに貼り付けます(Copainterはクリスタから直接コピペができます。便利。)
プロンプトは私の代わりにAIによしなに自動判定してもらい、忠実度高めで生成します。
ラフを参照してかなり記号的な線画が出来ましたがこれではまだチープな感じがします。これをコピーして「AIアシスタント」タブに貼り付け、「ラフを参考にキッチンの画像を作って」と日本語で入力します。送信!
一度AIが認識しやすいように記号化させることによって物の配置や画角を維持しつつ精巧な実写風画像になりました。所々おかしい点はありますが一旦無視してこれを更にコピーして以下のように指示します。
「画像を線画化して。光源や陰影は無視して。1ピクセル未満の線は無視して」
線画化のための呪文はよそ様が公開されていたものをまるパクリしています。1ピクセル未満の~は壁の模様やフローリングの木目など極端に細かい線を表示しないための制限です。
さっぱりとした線画になりました。とてもぱっと見の見栄えはいいです。しかしやはり気になる部分はあります。線の強弱なども欲しいです。ここは自分の手で直します。画像を透過・ベクター化してちょちょいのちょいです。絵が描けるって便利。
こんな感じで背景完成。ラフと最終手直しは人間。中間作業はAIが担いました。大本が自分自身のラフ絵かつ最終調整は人間の手で行っているのでこの画像が誰かの著作権を侵害している可能性は限りなくゼロかと思います。もし全く同じ間取りと配置の部屋を見つけたらご連絡ください。
「AI絵はハンコ顔、無個性、血が通っていない」という意見を耳にします。
AI特有の絵柄は確かにあると思います。AIに頼ることで自分の絵もAIでよくある絵になってしまうのは私も嫌です。なので線画はまだ殆ど手描きですが「負担を軽減する」ことを主目的として活用してみました。
ラフ。完全に手描きです。もう既にエッチですね。
下書き。私は絵が上手じゃないので人体パーツは頻繁に3Dモデルをトレスします。
この時点でラフがいかにいい加減だったがバレて恥ずかしいです。
この下書き(黒い線)のみをコピーして「ペン入れ」に貼り付けます。
この時の忠実度は基本的にMAXです。するとあらゆる手癖を維持した状態で下書きの線を集約したペン入れ画像を出力してくれます。入り抜きや太さなどは好みだと思いますが色々試した感じだと加筆修正ありきなら細いGペンで軽く入り抜きを強化して出すといいような気がしました。
AIペン入れ100%の状態です。パッと見ならもうこれでいいくらいめっちゃ私の絵ですね。特に顔。若松が超いい男です。ですがよく見ると手元や装飾品の破綻や線のぎこちなさなど気になる点が山ほどあります。これを加筆修正していきます。
AIを第ゼロ稿として全貌は捉えているので気になる所を直していくのに迷いはほぼありません。そのためアンドゥ地獄に陥らず効率よく作画監督していくことができます。線画のAI使用においてはこれによる手首への負担減が最も恩恵を感じます。
修正後。若松はより男前に、桜庭は目も眩むほどの妖艶おじさんになりました。
本当なら大嫌いな色塗りこそ丸投げしたいところですが正直着色に関してはまだうまい使い方が見出せていません。というか完成品がどうしても自分の絵と馴染まないというか、好みの仕上がりにならないんですよね。色塗り嫌いなのに理想は高いとか本当嫌になります。
自力で色塗って色々装飾した完成品がこちらです。甘咬みのしつけかた 戯はDLsite等で配信中なので気になったらぜひ読んでください。最高だから。マジで。お願いします。
この制作手順を見て「やっぱりAIなんてラクしてズルしてロクなもんじゃねえ」と思うも「思ったよりめちゃくちゃ手間だな。手描きでええやんもう」と思うも自由だと思います。
ですがもし「すっげー便利じゃん。これがあれば自分の作品をより良くできるかもしれない。使ってみたい」と思った人がいたらこっそりでもいいと思います、少しだけ触ってみても良いんじゃないでしょうか。紹介した内容は基本的に有料サービスなのですが初回お試しチケットが少しだけもらえる他、こちらから紹介という形で始めることでチケット優待があるみたいです。
AIとクリエイティブの未来は正直私にもよく分かりません。対立が深まり創作の分野では道義的に排除されるかもしれない。大勢が納得できるものが生まれAI利用が当たり前になっていくかもしれない。今はまだ混迷の中ですが、私は私なりに自分にとって良いと思うものを自分で考えて使っていきたいと思います。
今後ともよろしくお願いいたします。